2013年11月16日土曜日

Blackie (EC UDST)+FLS PU、シェイクダウンだっ!

寒くなりました。11月中旬って毎年こんなに寒かったっけ?…と、毎年言っているかも知れません。今日近くまで外出する時、天気が良かったので、車じゃなくて自転車(ロードレーサー)で移動しました。従来通り指切りグローブ(指先が第2関節位まで露出する)を使って、すぐ後悔しました。走行時間は往復で30分も無い位だったので、まだ我慢出来ましたけど。次乗る時は長指グローブ(指が全部覆われるタイプ)にします。

閑話休題。

Blackie (Eric Clapton師匠モデルのギター)のPU交換、の話の続きです。

◆FLS PUに無事換装を終えたBlackie♪

先週末報告させて頂いた通り、無事、BlackieのPUをFender Vintage Noiseless PU (長ったらしいので以下VNL)からFender-Lace Sensor (Gold) PU (以下FLS)への換装が出来ました。

FLS PUに換装したBlackie♪

換装後もEric Clapton師匠仕様ギターである点は同じ(2000年代版→1990年代版への若干の仕様変更/笑)なので当然かもしれませんが、これでCrossroadsSunshine Of Your LoveLaylaとかいった定番曲を弾くと、ムッチャ気持ち良くなれます。さらに、FLSって以前Jeff Beckさんも使っていたので、試しに'Cause We've Ended As Loversとか弾いてみたら、コレも見事にツボに嵌まりました。

※Beckさんのギター(FLS搭載ST)は、本当はリアPUはFLS×2個なのでちょっと違う音の筈ですが、FLS搭載Blackieでも結構雰囲気出ます(Blackieでアーム使うかどうかは悩む所ですが)。

※アンプですが、Clapton師匠は時期等で変わるので悩ましいです。素直にMarshallに行くのが吉でしょうか。BeckさんコピーにはMarshalが良い感じです。アンシュミなら、90年代UKアンプのモデリングがおススめです。

めでたしめでたし。
パチパチパチパチ♪

だけじゃ話にならないので、ちょっと実験してみました。

FLS PUはカナリ高く出来る!

通常、PUの高さを上げる(弦に近付ける)と、以下のような得失があると言われています。
  • メリット …出力が上がる
  • デメリット …PUの磁界が弦の振動を抑制してしまい、特にサスティーンが短くなる
なので、通常PUはあまり高くしないのがセオリーです(通常、フロント<センター<リア、という高さになります)。でもこのFLS PU、周囲に発生させる磁界が狭くて弦の振動への影響が少ないらしいです。つまり、弦にギリギリに近づけて使ってもサスティーンを殆ど殺さない(らしい)んですよ。実際にどれ位近付けても影響が感じられないか(ワタシの耳も大したこと無いのであんまりアテには出来ませんし、同じ弦を何度も張り直した物との比較なので、どこまできちんと比較できているかカナリ微妙ですが/汗)、ちょっと試してみました。

結論。

これ、ビックリです。

本当にPUを高くセッティングしても、出力は上がるのに、弦振動(特にサスティーン)への悪影響が殆どありません!

中古屋さんで見るギターの中でも、
  • FLS搭載Stratocaster (ST)
  • アルニコV PU搭載のMustang (MG)
の2機種に顕著に見られる状況として、PUカバーがテロテロに削れちゃっている訳がよく解りました。皆さん、PUをかなり高めにセッティングして出力を稼いで使っていらしたんですね(PUを高くすれば当然ピックも当たりやすくなり、PUカバーは傷だらけになります)。まあ、MGは元々サスティーンがあまり無いギターですし、弦振動を云々以前に元の出力が小さいから、止むを得ずPUを高くして使っている人が多いというのが本当なのかも知れませんが(そう言えばワタシのMG69もPUカバー傷だらけデシタ)。MGは、特に他のギター(STとかTLとか)と持ち換える時に、毎回アンプの設定やら細かくイジッてらんねぇ(笑)という実用的な面から、PU高くして出力を他のギターに近くしていたんでしょうね(今では音の処理技術が進んだので、ギター毎に出力レベルを揃える必要はあまり無いかも知れませんが)

そう言えば、FLSのうち、最初に買った2個は、MGに積んでみるために買ったものでした。「何だか音がストラトっぽくなっちゃうなぁ」と思ったのは、音質以外にサスティーンが伸びたこととかもあったのかも知れません(だからってもう1回BlackieからFLS外してMGに載せて試すほどの手間かける気はしませんけどね…だって、あのアルニコV PU特有の「何かちょっとチープな音」で「何とも言えない不安定なアナログ楽器!な音」がMGの魅力だと思っている位ですから)

 
ワタシのMG69のフロントPUカバー。1弦の外側が右写真のように削れてしまう。
中古屋さんではもっと酷い状態のものもよく見かけます。

おっと、脱線してしまいました。FLS搭載Blackieの話に戻しますね。Blackieの場合、ギター本体にプリアンプを内蔵していますから、PU高で出力を稼ぐ必要は殆ど無いんですよね。

VNL PU仕様(ビフォー) & FLS PU仕様(アフター) 比較

どどーん、ビフォー&アフター(FLSはこれ位高くしてもサスティーンは死なないよ♪)の写真です。弦が交換されていたり、あちこちキレイにお掃除したりしていて同じギターに見えないかもしれませんが(汗)。それと、本当はポールピースの高さで比較すべきなのですが、ここではざっくりPUカバーの高さだけ見て下さい。

それにしてもこのPUの高さ! もうすぐ弦振動に物理的に当たる寸前です。ここまで高くしてもあまりサスティーンが悪くなったりしないようです(弦に近い分、出力はバリバリに高まります)。なんかすごいです、このPU。

 
フロントPU、左:旧(VNL)、右:新(FLS)
撮影角度がちょっと違うので分かりにくいですが…

 
センターPU、左:旧(VNL)、右:新(FLS)

 
リアPU、左:旧(VNL)、右:新(FLS)

ちなみにコレ、最終セッティングじゃありませんよ。今の段階では音を作り込んでいないマッサラな状態なので、あくまでも今回は「お試し」「お遊び」です。実際問題として、この写真のようなセッティングはかなり弾きにくい(PUにピックがガツンガツン当たります)。特にブリッジミュート時って、必然的にセンターPUに当たりまくります。弾くのに邪魔だからという理由でセンターPUだけ低くしちゃう人って結構居るみたいですが、Clapton師匠みたいな音(ハーフポジションを多用)にしたい時は、やはりセオリー通りが良いでしょう(PU高の「フロント<センター<リア」は崩したくありません)。まぁVNL PUの時と同じ位の高さから始めて好みの所にする、が妥当な進め方なのでしょう(VNLも出力が大きいPUではないので、上の左側の写真の各PUセッティングとも、ST用のPU高としては「少し高め」のセッティングだと思います)

という訳で、これからPU高調整に入ります。3個のPUの出力バランスと、1~6弦間のバランスとから、PUの高さ&傾斜を決めることになるのでしょうが(PU高セッティングの王道)、このFLS、ピッキングの癖(深さ・角度・速さ等)までカナリ繊細に拾ってくれちゃうので(そういう意味では、上手な人にはメチャ良いPUだと思いますが、ワタシのようなトーシロにはちょっと扱いにくいPUかも知れませんね/笑)、設定にはチョット時間がかかるかも知れません。

…って、PUを高くして遊んじゃったよ~ん♪ というだけの話でした。ちゃんとしたPUセッティングはこれから始めます。

FLS PUの音(デモ音)

Lace Sensor PUの音の実例は、Lace社(FLS PUを開発したメーカ)による公式デモ・サウンド(YouTube動画)の引用だけとさせて下さい。搭載ギターもアンプも録音機材も高級品で、デモ演奏もちゃんとした腕の人なので、全てにおいて怪しいワタシが弾いた音より良いかと(…と言うか、PU交換しちゃったので今はVNL PUの音が出せないじゃん!/笑)。クリーン・サウンドでもちょっと「ショリショリ」「チリチリ」した特徴のある音です。
  1. クリーン・サウンド(→YouTube動画)
  2. ディストーション・サウンド(→YouTube動画)
で、後段のディストーションやアンプでは軽く歪ませるだけにしておき(広い音域を一気に増幅~飽和~リッピング→歪む)、前段としてギター内蔵のプリアンプ(Mid-Boost回路;その名の通り中高音域を強く増幅)を上手に組み合わせて使うと、あのClapton師匠らしい「ウーマン・ヴォイス・トーン」(少しハスキーな女性の声みたいな音…とかよく言われます)が出せるんですね♪ Lace Sensor PUとVintage Noiseless PUとの音の違いですが、一番解り易いのは、ネット上に転がっているClapton師匠の最近のライブ映像かも知れません。ここ数年、Claptson師匠は、曲によってギターを持ち替え、Noiseless PU搭載STとLace Sensor PU搭載STを使い分けているようです(ギターの外見ですぐ判別できます)。Lace Sensorの方がよりヴィンテージというか。ミドル・ハイが若干強めで、この「ウーマン・ヴォイス・トーン」っぷりが強まるのがお判り頂けるかと。

【要注意!】 ここ数年内に新品で買ったアンプ・エフェクタなら全く気にしなくて良いことかも知れませんが、10年以上前のトランジスタ式アンプ一部のエフェクタには、可入力容量が小さいものがあります。ギター側でアクティブPUやプリアンプの出力を上げると、これら脆弱なアンプ内の回路が簡単に焼き切れます(ワタシは見たことがありませんが、酷い場合、アンプが「ブッ!…」とデカい音が1回鳴ったきり音が出なくなり、嫌~ぁなニオイの煙が出るらしいです…って最悪の場合は火事になるぞ、それ!!)。

ところで。2000年以降、Fender社とClapton師匠との間に器材・技術提供の見返りとしての器材縛り(Fenderのギターを使う時は、PUもFender製を使う…つまり今はLace Sensorは使えない…筈?)みたいなのがあったと思うのですが、どうなっているんでしょうね? 少なくとも器材提供されていないPUを使う位ですから、Clapton師匠もかなりこの音が気に入っているのでしょう。

FLS PUが何故弦振動を殺さないのか?(特許読解)

FLS PUの米国特許番号はUSP#4,809,578なので(PU裏面に記載あり)、早速USPTO(米国特許商標庁、日本の特許庁に相当)のWebサイトに行って、斜め読みしてみました。従来のPU(磁石のポールピースを持つ)ではポールピースを中心とした広い範囲に磁界が発生し(昔理科の実験で、横向きに置いた磁石のさらに上に厚紙とかを置いて、そこに砂鉄をバラ撒いて観察したやつですね)、この磁界の広さが、ギター及びベースの弦の振動を抑制する原因になっている、…云々(ワタシのこれまでのPU高調整の経験と一致します)。これに対し、新しく発明したPU(FLS PU)では、ポールピースを用いず、PUの両サイドから特殊な流れの磁界を発生させ、これが広がるのを抑制することが出来た、…云々。ここまでは何となく理解出来たような気がします。が、、、

実物をいじくってみた感じでは、FLS PUって、結構低くしてもソレナリに音を拾ってくれるのですよね。特許に書かれた通りなら、PUをちょっと低くしただけで、弦周辺の磁界が激減しちゃって、音拾い→PU出力も激減するような気がするのですが、実物はそうでもないのです。物理現象としてイマイチよく理解出来ないのです。まぁ“斜め読み”じゃなくて“精読”すればちゃんと書いてあるのかも知れません。でもです。特許英語ってかなり特殊な書き方で解りにくいし、そもそもワタシの英語力では相当頑張らないと精読にならないので、もう一生読まないかもです(笑)。

◆3個のFLS PUの製造順序?(どっちでも良いかも知れない個人的事情)

先に買った2個のFLS PUには本体裏面に特許取得済みの旨(と特許番号)が書かれています。後から買った3個目には「特許出願中」と記載されています(→特許化前の製造と考えられます)。これから判断すると、3個のPUの製造と特許化の時期は、順番に
  1. 3個目のFLS PU製造
  2. Lace Sensor PUの米国特許登録 (1989年3月)
  3. 1,2個目購入のFLS PU製造
となります。この子(3個目のFLS PU)、ワタシの所に来るまで四半世紀もの間、世界の何処をうろついていたんでしょうね?

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