2015年7月4日土曜日

iTunesのアイコンが変わった(マイナーバージョンアップなのに…)

iTunesが新バージョン12.2となりましたね(iOSも8.4にバージョンアップしました)。前回(12.1)は今年2月でしたっけ? 結構なペースですね。

Windows上では、壁の色(ブルー)に映える爽やか(?)な色合い。
ブルーを背景にすると赤いアイコンが少々毒々しく見えたのに比べて大分マシ。

Macでも11~12.0~12.2のアイコンを並べてみました。
12.0で歪んでいた音符の頭が少しだけ丸く戻っています。

アイコンは新しくなりましたが、iTunes自体の使い具合(Look & Feel)は特に大きな違いを感じません。マイナーバージョンアップだからでしょうか。

で、何故マイナーバージョンアップなのにアイコンの色を変えたか? ふつう、こういう外見の変更はメジャーバージョンアップの時にしかしないものでしょう。このタイミングでアイコンのデザインを変えた理由について考えてみました。
  1. 赤いアイコンの評判が悪かったから
  2. 定額制音楽配信サービス「Apple Music (アップルミュージック)」の開始に合わせた
…まぁ、正解は2.でしょうね(笑)。今回一緒にリリースされたiOS 8.4もPlayer.appがApple Musicに対応です。

ここ数年iTunesはMac版に先行してWindows版がリリースされていましたが(この辺りについて以前考察したことがあります)、今回Win&Mac同時リリースだったのもApple Music開始に合わせたのでしょう。

“聴きたい曲をストリーミング再生”というビジネスは、これまでも色々なものがありましたが、デジタル音楽プレイヤ/ソフトウェアで圧倒的なシェアを誇るAppleがコレをやると、以下のような影響が予想されます。
  1. 個人と音楽(楽曲)との出会い方が従来のものとは大きく変わり、音楽業界のプロモーション方法も当然変わる。
    • CD(レコード)単位で購入すると、時として聴きたい曲以外も一緒に買うことになります。これが新たな楽曲との出会い(次へのループ)となることも多かったと思います。
    • 1曲単位でDLする時代(現在のユーザの多くはココ)は、CDなりレコードなりといった「まとまった状態」によるループは既に切れています。が、楽曲単位でのループ(「このアーティストの他の曲も聴いてみたい」)は辛うじて残っています。
    • 定額聴き放題の時代(今後はこちらにシフト)は、楽曲単位でのループすら希薄になってしまう世界。(アーティストにとっては、今まで以上に厳しい世界になりそうです。)
  2. 音楽の流通の比重が、レコード屋(CDショップ)→通信業界へと移る速度がさらに加速。音楽好きな人は、一定以上の通信容量を確保する必要あり(キャッシュの使い方や聴き方次第ですが)
    • CDショップは勿論、レンタル屋もどんどん減って行くでしょう。
  3. そして、Appleが世界中の個人の音楽の趣味・嗜好を(ほぼ独占的に)把握してしまう
    • Amazonの「おすすめ」に似た機能は「iTunes Match」で既に実装されています。このiTunes Matchは、数年前にiTunesにGeniusが実装され、莫大な量の個人情報(各ユーザが購入した楽曲の傾向、再生回数など)をAppleが収集・蓄積した結果、実現出来たものだと言えます。Genius、iTunes Match、Apple Music。今後、個人の楽曲購入履歴・再生回数等の情報が、より積極的なプロモーションに利用される可能性も充分考えられます。
    • Amazonはもっと悪い例で、各個人の購買性向に始まり、書籍等の購入履歴から趣味嗜好・政治・宗教・思想まで把握出来てしまう状態。
    • Appleでの音楽/動画のDL履歴や再生回数、Amazonでの購入履歴、Googleの検索履歴、SNS上での人々のつながりや個人間でやりとりされた文字/音声、電話やメールの通信日時とその内容、…といった各情報が大国の情報機関から捜査令状無しでも丸見えになっている可能性を思うと(スノーデン事件でこの辺りのコトが暴露されました)、何だか気持ち悪くありませんか? 後ろめたいことは別にやっていない人間として、チョット神経質すぎるかも知れません。でも、そうでなくてもマイナンバー制度導入で国民の収入・納税・貯蓄・資産・病歴・カード使用履歴…等々の個人情報が国に丸見えになる方向です。個人の移動状況はITSやETCやSuicaや携帯電話の位置情報で追跡出来ます。色々なメンバーカードは、各個人の購入品や来店日時の情報を吸い上げています。これらが全部一括して管理(監視?)されるようになると、プライバシーなんて存在しない世界。まさしく、ジョージ・オーウェルの『1984年』、「ビッグブラザーはあなたを見ている」世界です。
閑話休題。Apple Musicの話に戻しましょう。ワタシの場合、プライバシー云々の前に
  • 手元にお気に入りのライブラリが一定量ある(今後も増えるでしょうけど)
  • ライナーノーツや歌詞カードを読むのが結構好き
という事情から、Apple Musicを利用メリットがあまり感じられません。…って、数ヶ月後には違うことを言っているかも知れませんケドね(笑)。

結論:時々聴きたくなる曲はオンラインではなくローカル(手元)に置いておきたい。…当面はね(笑)。

でも、バージョンアップやサービス展開の速すぎるAppleの動向には、今後も暫くは要注目です。展開スピードが落ちると一気に失速してしまう?かも知れないので、「要注目」というよりも「要注意」かも知れません。

・  ・  ・  ・  ・

◆以下余談:

iTunesバージョン情報(Windows)

iTunesバージョン情報(Mac OS)

このバージョン情報、全文読んだことのある人ってどれくらいいるのでしょうか? ソフトウェア使用許諾契約には出来るだけ目を通すようにしていますが。

・  ・  ・  ・  ・

◆さらにオマケ(てゆうかチョット文句):

上に、iTunes 12.2のLook & Feelは12.0~12.1と変わらんと書きましたが、ダウンロードの進行状況を別ウィンドウで表示出来なくなってしまったようです(12.1以前はWinなら「表示(V)」→「ダウンロード(Ctrl+Shift+3)」、Macなら「ウインドウ」→「ダウンロード」で表示出来た)。プルダウンメニューが無くなり、ショートカットキーも使えなくなってしまったようです。PodcastやiPod AppのDLが途中でコケていないか等を確かめるのに重宝していたんですけど、これが無くなってしまったのは減点対象ですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿